自立支援

研究発表

ここに紹介しているのは、みかんの丘の施設内研究発表で1位を取った内容です。その後、青洲会グループの研究発表で近藤原理賞を受賞しました。携わった職員の努力はこれだけでは伝え尽くせませんが、是非ご覧ください。また、熊本県老人福祉施設協議会にてもう1題発表しており、銅賞を受賞しております。そちらの内容も次回掲載させて頂きます。

はじめに

高齢者施設では活動の重要性は認識されているとはいえ高齢や認知症・リスクを優先することにより、個々に活動の提供が充分になされているとは言い難い。
今回活動を実施していく中で心身機能の変化が見られ、その重要性を再認識したので以下に報告する。

取り組み前 利用者の生活

【目的】

活動を通し利用者の能力や意欲を引き出しながら身体機能の維持向上を図る。

期間     :
平成27年6月初旬~10月下旬
対象者    :
特養ユニット「スズラン」 10名
平均介護度  :
2.5
平均年齢   :
84.4歳
移動     :
車椅子 3名
歩行補助具使用 6名
独歩 2名
認知症高齢者の
生活自立度
  :
Ⅰ→1名
Ⅱa→1名 Ⅱb→1名
Ⅲa→6名 Ⅲb→1名

課題

  1. 心身機能が高い利用者だけに提供してしまう
  2. 提供時間や活動内容が定まっていないために職員によって対応が異なり継続性に欠ける

実施内容
日中の空いた時間を利用し数種類の活動を実施。担当表を作成し1週間ごとに役割を交代していく。

活動の抽出

実施時間
活動の種類 実施者数
開始直後 10月下旬
①おぼん拭き 9名 10名
②洗濯たたみ 5名 7名
③食器洗い 4名 6名
④米とぎ 4名 6名
⑤掃除 2名 2名
⑥花の水やり 4名 5名
事例① A氏

年齢:80歳
性別:女性
介護度:要介護3
認知症高齢者の生活自立度:Ⅰ
障害高齢者生活自立度:B1
既往歴:左大腿骨頭置換術(H22)
移動:車椅子(H22年より) 歩行器歩行軽介助レベル

生活状況および課題立位の耐久性が低く、トイレでの方向転換に時間がかかったり、トイレが終わったあとパット当てとズボンを上げることができず介助を要す。

事例② B氏

年齢:65歳
性別:女性
介護度:要介護3
認知症高齢者の生活自立度:Ⅲa
障害高齢者生活自立度:A2
既往歴:脳梗塞後遺症(高次脳機能障害)

生活状況および課題:失語症あり。活動を促しても感情失禁が多くみられ、また道具を使った活動は段取りが覚えられず、スタッフも何を提供すれば良いのか分からない状況。

事例③ C氏

年齢:97歳
性別:女性
介護度:要介護3
認知症高齢者の生活自立度:Ⅱa
障害高齢者生活自立度:A2
既往歴:高血圧
移動:両手に杖、シルバーカー

生活状況および課題:ご自分の気分で行動されるため運動に誘っても断られることが多く、訓練が実施できない。認知症はないが行動範囲が狭く居室にこもりがちになっており、歩行耐久性の低下やふらつきが目立ってきていた。

考察およびまとめ

高齢化社会が進む中で、単に長生きするというだけでなく、健康でいかによりよく生きるかというQOLが問われるようになっている。
今回馴染みのある家事などの活動を実施し、役割や活動行為の再獲得を図ることでその人らしさを引きだしQOLの向上にも繋がったと考える。

今後の課題

その方の興味関心をさらに引き出すために、生活歴などを詳しく知り、それを利用しながら活動の幅を増やしていきたい。

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