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自立支援 バックナンバー

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見~つけた!みかん流「在宅復帰」のかたち①

8月1日様式2・3のアセスメント実施後に課題別にプランを立てる。



この方の最も重要な課題の一つとして考えられるのが食事。義歯がなく、病院ではソフト食の提供に限られていたため。
もう一つが離床時間の増加が考えられた。これも、入院期間中はリハビリ以外の活動性はまったくなかったに等しいためである。(いわば寝たきり状態)

様式3の課題別ケアプランを基に取り組みスタートしてから一週間後の8月8日時点で水分摂取量1500ccを超え、細胞が活性化することで、意識・覚醒・身体の活動性が予想通り向上した。
その反面、盲点であった課題が見つかる。それは、排便の間隔である。
一週間で何度か少量はあったものの、気付けば-9日目。視点が食事と活動面にとらわれていた為、排便コントロールが上手くいっていなかった。
その日からの対策で、センナ茶を毎朝コップ1杯飲水することを24時間シートへ落とし込む。
これで、排便が上手くいかなければ、繊維物などの摂取も考えていたが、その後は2日に1回、排便が見られるようになった。

食事面に関して、プランに上げた方法で痰がらみは減少している。(やはり、食事前の水分摂取が重要である)しかし、硬いものに関しては義歯作成が出来るまで摂取困難である。

再アセスメント後、8月13日からトロミを付けての水分に関しては、痰がらみ・ムセが無くなった為、自己摂取しても大丈夫であると職員に周知して24時間シートへ落とし込む。

9月1日時点では水分に関してトロミが無くても飲めるようになる。
これは、口腔機能の向上に最も必要とされている咀嚼訓練を常食で行った結果、嚥下運動の向上が見られたといえる。

活動量に関しては、歩行距離も100mまで増加。それに伴い離床時間も9時間と伸びている。
また「自分で歩行距離を数える」「起きとかなんね」等の自発的な発言も出てきている。

9月6日(金)8月1日から9月1日までの変化を再アセスメント(様式2)した上で、家族と担当者会議を行い、在宅に帰るにあたって何が必要かを話し合う。
要望としては、①床からの起き上がり②夜間の排泄(不眠の軽減)であった。
この会議後、次の取り組みで何が必要か考察する。

夜間入眠を促すため、在宅に合わせた生活リズム作りを目的として、日中の活動量増加(1日500m以上の歩行)、21時の就寝を24時間シートへ落とし込む。

9月10日(火)義歯が完成する。早速、缶詰みかんで咀嚼を確認する。
咀嚼回数15回ほどで飲み込まれる。食物を噛み砕き、唾液と混ぜ合わせ、食道相へ送り込まれる一連の咀嚼運動に問題がなかったため、その日の夕食に魚の煮付けを提供する。
以前のようにかき込まれる事はなく、自分で咀嚼回数を数えながら嚥下出来ていることから義歯の重要性を知るとともに、嚥下に必要なことは咀嚼であり、口腔機能低下(廃用症候群)の予防にはやはり咀嚼が主役であることがわかった。

10月1日(火)義歯作成後、噛む食事の提供を続けることで、咀嚼力が向上して生野菜などの硬い食物も摂取良好。(以前のような痰がらみない)

9月6日の家族同伴のカンファレンスで要望があった。
①についてはPT・河津で畳からの起き上がり訓練施行。
前にテーブルを置いて、(声かけ、よつんばいになって)それを支えに起き上がる時は右足から立ち上がり、座る時は左足から座る事でクリア。
②については、運動量・離床時間延びるも、痒み・排尿があることで21時から朝までは深い入眠には繋がらなかった。

11月、日中に本人希望で臥床されることなくなる。排泄時動作(パット当て・ズボン上げ下ろし自己にて可能
) 夜間のパット交換の訴えは3~4回である(痒みの訴えも含めて)

夜間入眠に繋げるために、日中の活動を再度見直し、日中の排尿回数を増やすことで夜間の排尿回数を減らす取り組みと自己にて夜間ポータブルへ移る訓練を追加する。



結果 合計3回の外出を得て12月31日に在宅復帰される。
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