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東京研究発表報告

研修報告書

5月24日・・・機能訓練指導員が東京へ発ちました。
ある研究発表のためであります。
本人は前々から緊張しており、大舞台での発表を非常に心配しておりましたが、無事に堂々と発表を終え、内容も評価していただけたようです。
今回挙げます、報告書は内容を分かりやすく解釈したものと実際に使ったパワーポイントの発表内容です。
彼の頑張ってきた成果をどうぞご覧ください。


東京発表 報告書


サーキットトレーニングの実践報告
当施設では、水分・排泄・食事・運動といった基本ケアの充実に努めていますが、運動に関しては活動量を向上したいが歩行以外の取り組みが実践できていない状況でした。
歩行訓練だけでは限られた時間しか運動ができないことや、介助量が少ない利用者が優先となり対象者が限られることが課題であり、活動量を上げられない要因となっていました。そこで、他の手段での活動量の増加を検討した結果、サーキットトレーニングの実践を試みることとなりました。

【サーキットトレーニングとは】
あらかじめ決めた一連の運動を繰り返すことによって、総合的に体力の強化を図るトレーニングシステムと言われており、その対象は若年者の筋力強化・中高年者の健康増進・入院後の基礎体力の向上と多岐に渡ります。
【利点・注意点】
スタッフが小人数でも訓練量を増やせることや、目的に応じてトレーニングの種類を豊富にすることで多彩な刺激を与えることができる点です。しかし実施するには転倒を含めた十分なリスク管理を行わなければいけないため、環境設定やトレーニングの選択に配慮が必要です。

【実施】
今回は入居者を対象にしたプログラムを設定し、目標値に合わせて運動量を調整。
期間:平成26年1月~3月  2~3回/週
プログラム:運動30秒・休憩60秒で6種目の運動を2セット行う
                    ⇒上肢2項目、下肢3項目、体幹1項目の計6項目の運動
目標値:①楽であると感じる運動量
    ②年齢や心拍数から求めた目標心拍数に近い運動量
    (今回は心拍数90~100程度)

経過:実施より1ヶ月経たないうちに運動終了後の心拍数が70~80台で定着したため
     ◎運動40秒・休憩50秒 ◎3セット へ変更

東京発表報告

【効果】
筋力の向上(握力が1.0㎏~4.0㎏程度向上)
筋持久力の向上(6分間の間に歩ける距離が増えた)
バランス能力の向上(座る・歩く・方向を変える動作の向上:Timed up and go test)
歩行能力の向上(10mを歩く時間が短縮)
移乗動作や起立動作の介助量軽減
※大きく数字の向上がみられた項目
A氏評価
A氏評価

B氏評価
B氏評価

【身体機能の以外の効果】
水分摂取量の増加(150㏄~400㏄の増加)
  A B C
  1683 1761 1357
  1589 1823 1264
開始 1728 1781 1271
2w 1721 1790 1307
4w 1808 1843 1396
6w 1733 1840 1653
8w 1828 1882 1598
※2週間ごとの平均値
排便間隔の短縮
・トレーニング開始前と実施中の排便間隔
  開始前 実施中
A氏 1.95日 1.70日
B氏 2.31日 0.95日
C氏 2.75日 3.0日


【課題】
活動量の向上は図れたが、さらに重介護者向けたプログラムの構築が必要
【指摘事項】
歩行に上記のような運動を組み合わせることによって、基本ケアなどは相乗的に向上していく。更に対象を増やして効果検証が必要。
  1. 活動量向上を目的としたサーキットトレーニングの実践
    ※クリックするとPDFが開きます。
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